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指す将順位戦 第2局 右の左にネさん戦

 初めて望外という言葉を見たのは将棋世界だったと思う。

インタビューなんかで「望外の2連勝となりました」なんて書いてあるわけだが、正直言うと「ウッソだぁ!勝てると思って対局しに行くに決まってるよ!」と思っていた。

 で。今年の頭から行われている指す将順位戦なるものに参加しているのだが、気づけば開幕から2連勝していた。

 嘘じゃなかったわ・・・。連勝できると思ってなかったわ・・・。

 実際、第一局も第二局もギリギリの戦いで、勝ちを拾ったという表現がぴったりの内容だった。しかし逆に考えれば運がツイているとも言えるかもしれない。せっかくなのでこの勢いのまま乗り切りたいところ。

 しかしまあ課題が忙しかったこともあり、特に対策することもできず当日を迎えた。将棋ウォーズは一日6局やっていたが、あとは3月のライオンドリフターズを読んで過ごしていた。まあ3月のライオン読んどけばなんとかなるでしょ。(適当)当日やったことといえば終盤でひっくり返されないよう、早めに風呂に入っておいたことくらいである。(藤井ファンの戯言)

 いままで気負いすぎて何かに臨んで成功したためしもなかったため、頭をまっさらにして対局に臨んだ。

 先手aqua 後手 右の左にネさん

▲7六歩△3四歩▲2六歩(第一図)

 

 (第一図は▲2六歩まで)

 早速お前藤井ファンじゃなかったのかと言われそうであるが最近スマホで将棋ウォーズの新しい居飛車用のアカウントを作り数局指してみたところ、居飛車も悪くないなと思い始めたのである。また、ドリフターズを読んでいたのでギリギリの斬り合いをやってみたくなったというのもある。首おいてけー。

 

△8八角成▲同銀△6五角(第二図)

 

(第二図は△6五角まで)

戦型は筋違い角となった。

 主に奇襲に分類される戦法だが、僕はあまり驚いていなかった。むしろテンションが上がった。

なぜならこの日までずっと3月のライオンを読んでいたからである。

 やっぱりライオン読んどいて正解だったじゃないか。(後付け)

▲4八銀△7六角▲7八金△4四歩▲4六歩△5四角▲5六歩△5二金右▲7七銀△8四歩▲2五歩△2二銀▲4七銀△3二金▲5五歩△6五角▲5八玉(第三図)

(第三図は▲5八玉まで)

 しばらく駒組みが続く。筋違い角といっても居飛車に組むか、振り飛車(主に向かい飛車)に組むかの2通りがあるが、今回は居飛車を選択してきた。図の5八玉は変に見えるかもしれないが、相手は居飛車の陣形をしているので、相手は角を使って8七の地点を棒銀のように攻める展開にしてくる可能性が高い。そうなると玉は8八にいるよりは5八あたりで右玉のようにしたほうがよい、と思った。うちの激指先生は疑問手と言っている。そりゃそうだ。玉薄いもの。

 そしてこの先、この手を何度か後悔することになる。

 △7二銀▲6六歩△4三角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛△8五歩▲3六歩△8三銀▲4五歩△3一金▲4四歩△3二角▲5六銀△7四銀▲7六歩(第四図)

(第四図は▲7六歩まで)

 △7四銀は疑問手か。本譜のように7六歩と打たれて攻めが遅くなってしまったからである。前述したように棒銀で8七の地点を攻められるとこちらは単純な数の攻めが受けづらいので、銀は7四より8四に出たほうがよかったかもしれない。

△3三銀▲4八飛△6四歩▲4五銀△4二歩▲3八金△6五歩▲5四歩△同歩▲6五歩△同銀▲4九飛△5五歩▲6九飛△6三歩▲5三歩△同金▲4八玉(第五図)

(第五図は▲4八玉まで)

 ▲4八飛と回り、相手の陣形をへこませたところは気持ちがいいが、玉飛接近の悪型なうえ、相手の銀も5段目に進出してきた。単騎でやってきているだけなのだが、こちらの玉と近く、威圧感がある。

 とりあえず振り飛車の格言にあるように▲6九飛と戦いの起こった筋に飛車を転回した。しかし△6三歩と簡単にすぐの成りこみは防がれてしまい、▲6九飛自体はあまりよい手ではなかったように思う。ただ、感想戦で触れられたように後手は△6三歩に代えて6四歩のほうがよかったかもしれない。銀を直接支えているので▲5四歩などとして角の効きを止められても銀が取られないからである。

 と、ここで突然、「ピロッ」という間抜けな音が聞こえた。投了のときに耳にする音だ。「え?ここで投了?いくらなんでも早くない?」と思いチャット欄を見ると「あなたの通信がきれました!」の文字が。このとき屋外でスマートフォンなどで通信していたわけでもなく、Wifi環境のある家の中でPCで将棋倶楽部24にログインしていたので、予想外の出来事に頭が追い付かなかった。通信のことはよくわからないが、とりあえずタブレットの電源を切って家の中の通信機器を減らした。

 対戦相手の右の左にネさん、そして観戦してくださっていたみなさん、ご迷惑をおかけしました。

 対局のほうに戻ると、相手の攻めは迫力がある。△7六銀▲同銀△同角と進むと銀交換を果たしたうえで7六角が王手でこちらが後手を引きそうだ。玉が薄いので一度の王手で形を乱されることも怖かった。とりあえず▲5四歩として角道を社団法人したものの、そのまま△5五歩と伸ばされてしまい、玉にプレッシャーがかかってきてしまった。

 4筋を制圧しているとはいえ、こちらもそろそろ攻めの手を指して相手陣を乱していかなければまずいかと考えた。自玉が自玉なだけに攻められると一瞬で負けてしまう恐れもある。

 そこで▲5三歩△同金▲5四歩△同銀(△5二金なら▲6五飛で銀がとれる)▲同銀△同角▲7一角(A図)

(A図)

などとしてなんとか6三に飛車が成りこめないかと考え、とりあえず▲5三歩と叩いたのだが、よく考えると図から5四の角が3六に出る手が王手である。7六角が王手なのをきらってこの順を選ぼうというのに結局同じではお話にならない。こちらの攻めが切れる形ではなく悪い順ではないのかもしれないが、玉が薄いことや、3六角が玉だけでなく飛車まで睨んでいることから感覚的に怖く、選べなかった。

 そこで、どう考えても手の流れがおかしいのだが△4八玉と自重した。

△6二玉▲2六角(第六図)

(第六図は▲2六角まで)

自重して一手守りに使った(守りと言えるのか?)ものの、自玉が薄いことには変わりはない。相手が6二玉と上がったところで目をつぶって▲2六角と打った。こちらは角を手持ちにしていることも主張のひとつであったため、角を手放して戦果を挙げられなかった場合、不利になる可能性が高い。決断の一手だった。

 

△5一玉▲4三歩成△同金▲7一角成△8四飛▲6五飛△4四金▲6三飛成△4三角▲4四銀△同飛▲同馬△同銀▲8二飛△7四角▲5二金 まで先手勝ち

 

 (終局図は▲5二金まで)

 

 これに対しては△8四飛が正着だったようだ。本譜は角を成りながら銀得を果たすことができた。確実に優勢ではあるのだが、右辺に逃げられてグダグダになってしまうと自分の実力では玉が薄すぎて逆転を食らわない自信はない。△4三角など粘りの一手を振り切り、以下はなんとか攻め切ることができた。

 

 内容としては、▲2六角からの攻めがうまく決まり勝てたと言えるが、薄い玉に慣れていなかったからか、やりづらさを感じていた。玉飛接近の形で戦うことにもなり、序盤の構想があまりよくなかったか。

 望外の3連勝となったが、ネット対局であまり相手を意識せずに戦うことができたことが大きいと思う。4戦目も頑張りたい。

  対局してくださった右の左にネさん、観戦してくださったみなさん、ありがとうございました。

 自戦記を書くのはは初めてのことで、拙いところも多かったとは思いますが、読んでいただきありがとうございました。